ステロイド外用薬 ベタつくくらいがちょうどいい

ステロイド外用薬の塗布量
擦り込まない。ベタつくくらいがちょうどいい
常深祐一郎先生(東京女子医科大学皮膚科准教授)
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/tsunemi2/201508/543455.html

これだけはおさえよう
◆十分な量を塗布する
◆少しベタつくくらいが適量
◆部位別FTUを参考にする


FTUを知り、十分量を把握しよう
外用薬の塗布量の目安として、
最近はfinger-tip unit(FTU)という概念が用いられることが多くなりました。
FTUは、ステロイド外用薬に限らず、あらゆる外用薬で使用されます。


1FTUとは、薬剤を5mm口径のチューブで指先から第1関節まで
指腹に押し出した量のことで、0.5gに相当します。
1FTUは、手(手掌だけでなく指まで含む)2枚分の
面積に塗布するのに適切な外用量とされています。
これ以上の面積に伸ばすと薄くなり過ぎ、十分な量とはいえません。
この量を塗ると少しベタつく感じがしますが、これが十分量なのです。


外用薬は擦りこまない
擦り込んだ方が皮膚によく浸透すると思って、
外用薬をゴシゴシと擦り込む人が多くいます。しかし、これは全くの間違いです。
このような塗り方では、外用薬は薄くなり塗布量が少なくなってしまいます。
十分量の塗布ができず、効きも悪くなり、改善しないことにもなります。
また、こすることは引っ掻くとのと同じことですので、
皮膚のバリア機能を障害し、結果的に皮疹を悪化させてしまうことすらあります。


外用薬は、少しベタつくくらいで、テカって見えるくらいが適量です。
皮膚の上に薬の層を1層作るくらいの気持ちで、スっと伸ばします。
皮膚の表面に置いておくだけでよいといえます。
FTUで示された適量を塗布すれば、このような理想的な状態にすることができます。