日豪EPA発効

日豪EPA発効、牛肉など値下げ機運 小売店はやセール
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO81997970W5A110C1EA2000/
http://www.asahi.com/articles/ASH1G4Q7TH1GULFA015.html




日本とオーストラリアの経済連携協定(EPA)が15日に発効し、
豪州から輸入する牛肉などにかかる関税が引き下げられた。
個人消費の回復がもたつくなか、EPA発効を需要喚起につなげようと
イオンは同日、豪州産の牛肉やワインの値下げ販売を始めた。


国内市場が拡大しているワインにEPA発効は追い風だ。
主体だった欧州産や南米産に加え、
品質への評価が高まっている豪州産も輸入が伸びる見通し。


牛肉では一律38.5%だった豪州産の関税が
スーパーなどで主に売られる冷蔵品は32.5%、
加工食品の原料などにもなる冷凍品は30.5%に下がった。


牛丼店「すき家」で豪州産を使うゼンショーホールディングス
「商品の価格をどうするかは決めていない。
ただ、関税引き下げは当社にとってプラス」と指摘。
焼肉店「焼肉きんぐ」の物語コーポレーションでは
現在は取り扱いのない豪州産牛肉を
「今後、価格が下がれば、仕入れることも検討したい」という。


冷蔵品の豪州産の国内卸値は現在、1キロ1000円程度と国産和牛の3分の1。
輸入業者は当面の在庫を確保しており、新関税の豪州産が出回るのは2月ごろになる。
まとまった単位での契約が多い冷凍品はさらに時間がかかる見通しだ。


関税の引き下げが進めば、国内の卸値も下落するとの期待は高まる。
ただ、今回の関税引き下げ分は卸値の4%程度。
一方、豪州での牛肉価格は新興国での需要増加や為替の変動に伴い、
ここ1年でも数十%上昇している。
経済環境次第では関税引き下げ分が吸収される可能性はある。


日本で消費する牛肉の約6割は輸入品が占めている。
38.5%の関税が続く米国産に対し、豪州産の競争力が高まり、
米国産から豪州産へのシフトが進む可能性はある。
ただ、牛肉は輸入量が前年を大きく上回れば、
関税が50%になるセーフガードが適用されるため、一定の歯止めがかかる。
短期的な豪州産の輸入急増で米国産や国産が駆逐されることはない。