老後は誰もが一人の投資家になる 橘玲
http://www.nikkei.com/money/features/67.aspx?g=DGXMZO7936447006112014000000&df=1
◆投資は働けなくなったときの保険
金融市場の仕組みを知ることはすべての人にとって必要です。
誰もが、最後は一人の投資家になるからです。
サラリーマンは60代で強制的に解雇されてしまいます。
退職金や年金が当てにならない時代に、30年近い年月を金融資本だけで、
つまり投資家として生きていかなければなりません。
これは大きなリスクですが、解決するのは実は簡単です。
できるだけ長く働けばいいんです。
60歳で定年を迎えても、月に20万円稼げる働き口があれば
80歳までの20年間で4800万円の収入が得られますから、年金もいらないくらいですよね。
北欧ではこうしたライフスタイルが当たり前になっていて、
コミュニティーに貢献できない人間には
社会から恩恵を受ける資格がないと考えられています。
老後に働かないのは悠々自適でも何でもなく、無能の証明だという価値観です。
そうやっていつまでも働けるのが一番ですが、
いつかはさまざまな事情で人的資本がゼロになるときが来ます。
そこで資産運用の出番です。
資産運用は労働市場から富を得られなくなったときの保険なんです。
何もしないでいると、国に任せている年金の運用が失敗したり、
インフレ・円安が急激に進んだりしたら大変です。
自分で資産運用をしながら、人的資本も含めたポートフォリオに
ヘッジをかけることが欠かせません。
金融市場について学ぶ必要があるのはこのためです。
金融市場というのは、身も蓋もない言い方をすれば、
知識のない人から知識のある人へと資金が移動していく仕組みです。
きちんと勉強している人と、金融機関のセールストークに乗せられて
何となく取引している人では、時間がたつにつれ大きな差が出ます。
自分の資産を守るためにも、正しい知識でしっかり武装してください。