気になるPM2.5どう防ぐ 微小粒子、肺の奥で炎症

気になるPM2.5どう防ぐ 微小粒子、肺の奥で炎症
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO69380170U4A400C1W13001/



PM2.5とは、大気中の微小粒子状物質
粒径がおおむね2.5マイクロ(マイクロは100万分の1)メートル以下のものを指す。
大きさで規定されているだけで、その中身は硫黄塩や硝酸塩などの塩類、
黒色炭素や有機化合物、金属成分など様々だ。有機化合物は数千種類にも及び、
中には発がん性物質も含まれる。工場の排煙やディーゼル車の排ガス、
石炭を使った暖房システムからの排煙、火山活動などがPM2.5の発生源だ。


髪の毛の太さが70マイクロメートル(0.07ミリ)、スギ花粉で30マイクロメートル、
ハウスダストの典型であるダニのふんで20マイクロメートル程度だから、
2.5マイクロメートルはケタ違いに小さい。
「細かい粒子ほど長く浮いていて気体のような振る舞いをする」
日本大学理工学部建築学科の池田耕一特任教授。
それだけ吸い込む可能性が高くなるわけだ。


■過剰反応を戒め
「吸い込んだ粒子が気管支に作用して起きるのがせき。
体質的にぜんそくを起こす人もいる」と千葉大学の巽浩一郎教授は説明する。


粒子が小さいほど、吸い込んだときに肺の奥まで達しやすく
「長期的には、気管支の先の細気管支、さらにその先の肺胞領域まで広く炎症を起こし、
間質性肺炎COPD慢性閉塞性肺疾患)にかかる場合もある」。


COPDは別名タバコ病とも呼ばれる「肺の生活習慣病」だ。
粒径1マイクロメートルに満たないタバコの煙の粒子もPM2.5に入る。


間質性肺炎COPDの先には肺がんにつながる可能性もあるが
「それは何年にもわたって高濃度のPM2.5にさらされる場合。
1〜2日続くぐらいなら、そんなに騒ぐ必要はない」と巽教授は過剰反応を戒める。