舌下免疫療法

花粉症、10月にも新治療 舌裏にスギのエキス滴下 http://www.nikkei.com/article/DGXDZO69668550Q4A410C1NNMP01/



■2年で症状なく
東京都内の60代男性は10数年前から毎年、
春になると目が腫れ、鼻がつまるなどの症状に悩まされていた。
症状を和らげる対症療法薬の服用を続けるのは抵抗があり、5年前の秋、
日本医科大の大久保公裕教授が臨床研究として実施していた舌下免疫療法を受けた。


治療開始から半年後の翌春から症状が軽くなり、2年目には症状がほとんどなくなった。
治療前は春先は外出を極力控えていたが、
ゴルフなど野外でのスポーツを楽しめるようになったという。


日本医科大で舌下免疫療法を受けた男子中学生も
部活や勉強に支障が出ていたが、2年ほどで症状が治まったという。


舌下免疫療法では1日1回、スギのエキスを含んだ液体の薬を舌の下にたらす。
最初の投与量は0.2ミリリットルで
2週間かけて徐々に増やし3週目からは1ミリリットルになる。
服用後は最低2時間は激しい運動や入浴、アルコール摂取を避ける。


臨床試験などでは主に重症の花粉症患者約900人が治療を受け、
「8割で効果があった」(大久保教授)。
一方、様々な刺激に鼻の粘膜が反応し、
花粉症と同じ症状が出る鼻過敏症を併発している患者では効果は小さかった。


治療期間の2年間は毎日欠かさず薬を服用しなければならない。
花粉症を発症しているさなかに始めると悪化する恐れがあり、
最低でも飛散シーズンの3カ月前に始める必要がある。


■医師は講習必要
厚生労働省は承認の際、
(1) 医師は舌下免疫療法や薬の適正な使用に関する講習を受講する
(2) 製造販売業者は講習を受けた医師を登録する
(3) 薬剤師は講習を受けた医師による処方であることを確認する――の3点を求めた。