「新興メコン」消費争奪戦

「新興メコン」消費争奪戦 アサヒはミャンマー進出
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDC0600C_W4A300C1MM8000/



飲料や日用品、自動車など生活密着型の消費関連企業が、
ミャンマーなど東南アジア諸国連合ASEAN)の後発国への進出を加速している。


アサヒグループHD(2502)は6月までに、
現地飲料大手と合弁会社を設立してミャンマーに進出。
コカ・コーラゼネラル・モーターズ(GM)なども攻勢をかける。
消費市場の拡大をにらみ、現地で自社ブランドを早めに浸透させる狙いがある。


メコン川流域のミャンマーカンボジアラオスは「新興メコン」と呼ばれる。
インフラ投資が先行してきたが、1人あたり国内総生産(GDP)が
1000ドル(約10万円)前後に達し、一般に自動二輪車などが売れる水準まで
経済が成長してきたため、消費市場にも関心が集まりつつある。


飲料メーカーではアサヒGHDが6月までに、
ミャンマー飲料大手のロイヘインと清涼飲料の製造・販売会社を設立。


炭酸飲料などの製造・販売に乗り出す。
アサヒ側の出資比率は51%で出資額は約20億円。
自社ブランドの商品展開も検討し、2018年に年間売上高100億円を目指す。


日本の総合酒類・飲料企業のミャンマー進出は初めて。
キリンHD(2503)なども事業展開に関心を示しており、同様の動きが広がる可能性もある。


人口約6000万のミャンマーには11年春の民主化以降、
世界の消費関連企業が相次ぎ進出している。
コカ・コーラは12年秋、約60年ぶりに同国市場に再参入。


デンマークカールスバーグは年内にビール工場を稼働する計画だ。
英蘭ユニリーバなどの日用品メーカーもミャンマー事業を強化している。


ユニ・チャーム(8113)は昨年、ミャンマーの日用品大手、
ミャンマー・ケア・プロダクツ(マイケア)を買収。
事業基盤の拡大で、生理用品と紙おむつの現地シェアはいずれも50%を超えた。


新車市場も立ち上がりつつある。
昨秋、法人による新車輸入が解禁されたのを受け、
GMは2月、最大都市ヤンゴンに大型ショールームを開設した。
「シボレー」ブランドのスポーツ車などを販売する。
トヨタ自動車(7203)も3月、ヤンゴンショールームを開いて新車販売を始めた。


カンボジアでは、イオン(8267)が6月をメドに
同国1号店となる大型ショッピングモールを首都プノンペンに開く。
モール内には居酒屋大手のワタミ(7522)が和食レストラン「和民」を出店する。


吉野家HD(9861)は昨年11月、シエムレアプに牛丼店「吉野家」の1号店を開いた。
5年以内に5店舗まで増やす。


ラオスではコカ・コーラが現地に合弁会社を設立した。
首都ビエンチャンに新工場を建設して年内にも生産を始める見通しだ。


▼新興メコンとは 
ミャンマーカンボジアラオスの3カ国を指す。