株主優待、少額投資にも対応

株主優待、少額投資にも対応 日航京急など
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGD0700F_X00C14A3MM0000/?n_cid=TPRN0001



上場企業の間で、
少ない投資額でも株主優待を受けられるよう制度を見直す企業が相次いでいる。


日本航空株式分割後も優待に必要な株数を変えず、
優待を得るための投資額を半分にする。


高級料理店のうかいは食事券の優待に必要な最低株数を引き下げる。
少額投資非課税制度(NISA)を使い投資を始める個人が増えるとみて、
安定株主づくりにつなげる。


日本航空は、9月末に1株から2株への株式分割を予定する。
100株以上の株主に国内線運賃の割引券を配布する優待の条件は、
分割後も変えず実質的に引き下げる。
100〜199株の保有なら割引券1枚をもらえる。
最近の株価で計算すると、
割引券の受け取りに必要な投資額は50万円程度から25万円程度に下がる。
「少額でも株式購入や割引券利用を可能にし、個人株主を増やしたい」(同社)という。


医療機器販売のディーブイエックス
優待(クオカード)を受けるのに必要な株式数を
3月末の株式分割後も100株以上で据え置く。
100株当たりのカードの金額を半額にし、会社の支払額は増えにくい。
ただ、半額の投資で優待が得られ、より多くの株主が対象になる。


必要な保有株数を引き下げる動きもある。
うかいは今年3月末の株主から、100株以上を保有する株主に食事券を贈る優待を始める。
従来も系列美術館の入場券は100株以上で贈っていたが、食事券は500株以上必要だった。


京浜急行電鉄は今年3月末の株主を対象に、
電車とバスの利用券を受け取れる条件を、5000株以上から3000株以上に引き下げる。
必要な投資額はNISAの非課税枠である100万円を超えるが、株主の裾野拡大を狙う。


新たに優待制度を始める企業も目立つ。
ミサワホームは今期末から株主を対象に戸建て住宅の購入やリフォームの割引を始める。
「安定株主の獲得につなげたい」(同社)狙い。
パナホームも常設の優待制度を導入する。
筑邦銀行沖縄セルラー電話など地方企業にも優待導入は広がる。


大和インベスター・リレーションズ(大和IR)によると、
1月末で優待実施を公表しているのは上場企業の31%にあたる1122社。
昨年9月末から28社増えた。
今年から始まったNISAでは、
優待を受ける目的で同制度を使い株式を購入する個人も多い。
立花証券の平野憲一顧問は
「NISAが始まったことで優待の魅力が高まりそうだ」と指摘する。


NISAは年間100万円までの投資なら株式投資などで得た利益が5年間非課税となり、
個人投資家の呼び込みが期待される。
国税庁によるとNISA口座開設数は2013年末時点で約475万件に達した。
優待制度を見直す企業は今後も増えそうだ。