好酸球性副鼻腔炎

最新情報「増えてきた慢性副鼻腔炎の新タイプ」
http://www.nhk.or.jp/kenko/kenkotoday/archives/2014/01/0115.html
http://www.nhk.or.jp/kenko/kenkotoday/archives/2014/01/0116.html



かつて副鼻腔炎では、
副鼻腔に膿がたまる非好酸球副鼻腔炎(いわゆる"蓄のう症")
がほとんどを占めていましたが、衛生環境の改善や、
効果の高い抗菌薬の普及などにより減少してきたと考えられています。


最近は、これまでの抗菌薬では効果が見られないタイプの、
好酸球が血中や副鼻腔・気管支などの粘膜に増加する
好酸球副鼻腔炎が増えてきています。





副鼻腔炎の原因には、
ウイルス・細菌・かびなどの感染があげられますが、
好酸球副鼻腔炎の場合は、そのほかに、
ハウスダストなどへのアレルギーや、
ウイルス・細菌の両者への感染など複合的な原因によって、
免疫が過剰な状態になると考えられています。
ぜんそくを併せもつ人が多いのも特徴です。


好酸球副鼻腔炎の症状の特徴としては
「クリーム色でネバネバした粘液(ムチン)が主体の鼻水が出る」
「嗅覚障害が早い時期から起こりやすい」
「鼻ポリープ(鼻たけ)が高い頻度でできる」
「目が疲れる、頭重感、頭痛」
「中耳炎や気管支炎などを併発しやすい」
といった特徴があります。


慢性副鼻腔炎の治療



慢性副鼻腔炎の治療の柱は、局所療法、薬物療法、手術です。


局所療法では、鼻腔や副鼻腔にたまった膿や鼻水を生理食塩水を使って洗浄してから、
霧状の抗菌薬を局所に直接噴霧するネブライザー治療を行います。


薬物療法では、非好酸球副鼻腔炎には主にマクロライド系抗菌薬を使います。
好酸球副鼻腔炎には、ロイコトリエン受容体拮抗薬やステロイド薬を使います。


どちらの場合も、鼻水をサラサラにして排出しやすくする粘液溶解薬や、
抗菌薬のペニシリンを使うこともあります。


市販の点鼻薬は、長く使い続けると逆に鼻詰まりを悪化させるおそれがあるので、
使用が長引かないよう注意します。


局所療法や薬物療法で効果が得られなかったり、
鼻ポリープが大きくなり鼻腔を塞いだ場合などには手術を行います。
現在では痛みや出血が少ない内視鏡手術が主流です。