JXホールディングス

JX 水素価格、ガソリン並みに 燃料電池車後押し
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD100VI_U4A110C1MM8000/



JXホールディングス(5020)は燃料電池車向けに低コストの水素供給に乗り出す。
水素を安全で大量に輸送できる技術を開発、
2020年をメドに新技術を使った供給網の整備を始める。


供給コストを3割程度削減、ガソリン並みに利用できる価格実現を目指す。
石油元売り最大手の同社が水素の低価格化に動くことで、燃料電池車の普及に弾みがつきそうだ。


燃料電池車はエコカーの本命とされ、
トヨタ自動車(7203)やホンダ(7269)が15年から量産・販売する。
政府も15年度までにガソリンスタンドに相当する「水素ステーション」を
国内100カ所に整備する計画。


JX日鉱日石エネルギーが製油所で自社生産している水素をトルエンに溶かして液体化。
常温・常圧の状態でトレーラーで水素ステーションに運ぶ技術を開発した。
車に充填する時点で、独自開発した触媒を使って気体に戻す。


現在は気体の水素を高圧で圧縮して専用トレーラーで輸送、貯蔵している。
液化すれば高強度の炭素繊維製ボンベや爆発を防ぐ設備なども不要になり、
ガソリン用のトレーラーやタンクを転用できる。


ステーション建設費は2億円と現行よりほぼ半減する。
液化で体積を小さくして輸送量も2倍に増やせる。


現状の水素の生産・流通コストは1立方メートルあたり145円。
今回開発した低コストの水素供給体制が整うと、
燃料電池車の普及の目安とされる同100円以下が実現する。


JXは国内の約3分の1に相当する1万1100店の系列ガソリンスタンドを持つ。
すでに神奈川県海老名市など5カ所に水素ステーションを開設。


トルエンで水素を液化する技術は千代田化工建設(6366)も開発を進めており、
関連インフラの技術開発でも日本勢が世界をリードしている。