ビスホスホネート 歯科インプラント後の服薬は

医療相談室
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Question 歯科インプラント後の服薬は

昨年5月に歯科インプラントの手術を受けました。
骨粗しょう症の薬「エビスタ」を服用中で、
歯科医から「治療中はビスホスホネート製剤に変更しないで」と指示されました。
(59歳女性)

Answer 骨粗しょう症のBP製剤 影響も

岸本裕充先生 兵庫医大歯科口腔外科教授


ビスホスホネート(BP)製剤を使っていると、
抜歯やインプラント手術のように顎の骨の治癒が必要な治療で、
治る速度が遅くなる場合があります。
手術後の経過が悪いと、まれに顎の骨が壊死することもあります。


したがって、抜歯やインプラントの手術を行う時には、
BP製剤を一時中断することがあります。
一方、BP製剤は骨に強力に沈着しているため、
短期間中止しても効果はあまりないという考え方もあります。


手術後1年近く経過し安定しているならば、
エビスタをBP製剤に変更しても、
直ちにインプラントに悪影響を及ぼすことはないでしょう。
ただし、インプラントの周囲に炎症などが生じた場合、
治りに影響を及ぼす可能性はあります。


毎日の適切な口腔清掃と歯科での定期的なメンテナンスが必須です。
BP製剤への変更が必要になったら、その時点で、
インプラントの状態を慎重に評価する必要があるでしょう。
(2013年4月20日 読売新聞)