ダイアップ坐剤が途中で出てしまった

服薬指導のリスクマネジメント
ダイアップ坐剤が途中で出てしまった
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/hiyari/201303/529684.html



患児は、痙攣発作で受診。
診察時には既に痙攣は止まり、正常に戻っていた。
再発防止のためダイアップ坐剤(ジアゼパム)を処方されて帰宅が許可された。


患児の母親が薬局で薬を受け取る際
「入れた坐薬が時々ぽろっと出てしまうことがある。
その場合、そのまま入れ直した方がいいのか。
それとも新しい坐薬を入れ直した方がいいのか」と尋ねた。


薬剤師は即答できず、同剤の添付文書を見たところ
平均最高血中濃度到達時間が1.5時間と書いてあったため
「挿入後1時間半以内に出てしまった場合に、原形を保っていれば入れ直してください」
と答えた。しかし対応に時間が掛かり
自信がなさそうに説明したので、患児の母親はとても不安になった。


◆今後どう対応しますか?
坐薬の直腸内での吸収動態を調べた検討では
1.5時間程度の直腸内保持では、20〜30%程度の吸収率であり
十分な治療効果が得られない可能性が高い。
ダイアップ坐剤は、吸収が遅く
十分な吸収率を確保するためには、少なくとも2時間以上
(主薬の直腸粘膜からの吸収性、基剤の性質の違いなどにより異なるであろうが)
は挿入している必要がある。
従って、本剤がもし途中排出されてしまった場合
原形をとどめていれば再挿入すればよい。
原形をとどめていない場合や、坐薬の液状物がある程度直腸内に残っている場合は
新しい坐薬を再挿入することは過量投与になる恐れがあるため、避けた方がよい。


◆服薬指導例
ダイアップ坐剤は、直腸から十分に吸収されるために
2時間以上は入れたままにしている必要があります。
ですので、もし坐薬が途中で排出されてしまった場合には
出てきた坐薬が原形をとどめていればもう一度挿入すればよろしいと思います。
ですが、原形をとどめていない場合は
坐薬の液状に溶けたものがある程度直腸内に残っていて
新しい坐薬をもう一度挿入することは過量投与になる恐れがあるため
控えた方がよろしいかと思います。