イオン、スーパー「1強」に

イオン、スーパー「1強」に 縮む市場が再編迫る
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGF26093_W3A320C1TJ0000/



イオンがダイエーを子会社にすることで、スーパー事業の売上高は
イオンの4兆2千億円とダイエーの8千億円を合わせた約5兆円に達する。


ダイエーは丸紅が主導する現在の体制下で業績の改善を果たせなかった。
債務の圧縮など経営再建に一定のメドをつけたものの、本業の売り上げは伸びず
2008年度以降、1度も最終黒字を達成できていない。
老朽化した店舗投資に回す資金が不足し
既存店売上高は09年度から毎年2〜5%ずつ前年を下回る。
イオンと一体化した抜本的な構造改革が急務となった。


ダイエーは1980年〜90年代に
ホテル事業や球団経営に進出するなど、多角化を推進。
だがバブルがはじけると、過剰債務が重荷となり
銀行管理下の経営再建を余儀なくされた。
2004年には政府の産業再生機構の支援を受け入れた。
小売事業の強化を狙う丸紅が06年に筆頭株主となり
07年にはイオンも大株主として参加し、3社でダイエーの再生を目指した。


だがデフレで価格競争が激化したほか、コンビニエンスストアが成長。
12年度はスーパーやコンビニ、ドラッグストアなどとの価格競争が激しく
営業赤字に転落したもようで、イオンの支援なしでは長期的に生き残りが難しくなった。


小売業界2位のセブン&アイ・ホールディングスのスーパー事業の年間売上高は
約2兆円で、イオン・ダイエー連合とは圧倒的な差がつく。
セブンも主力のイトーヨーカ堂の成長力が低下しており
イオン・ダイエー連合がスケールメリットを生かして
調達力を発揮すれば圧倒的な価格競争力を備えるのは間違いない。


イオンは全国のスーパーを傘下に収めながら成長してきた。
1990年代以降も経営破綻したヤオハンやマイカルを吸収。
業界トップに躍り出た後も、なお規模拡大を志向し続ける。