保湿剤の塗り方

入浴直後でなくてもOK 保湿剤の効果的な塗り方
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO50173550Z21C12A2MZ4001/



保湿するうえで最も重要なのは、角層とその表面を覆う皮脂膜だ。
東京逓信病院の大谷道輝副薬剤部長は
「皮脂膜の量が減ったり、角層が傷んだりすると
体内の水分が外に逃げやすくなり、トラブルを起こしやすい」と指摘する。


保湿剤を使う最適なタイミングはあるのか。
「風呂あがり直後に」と皮膚科の医師から指導された人も多いだろう。
しかし、大谷副薬剤部長らが健康な人で比べたところ
風呂あがりから1分後と1時間後で保湿効果に差はなかった。
ただ「入浴直後は清潔なので、習慣にするにはよい」と大谷副薬剤部長はいう。


塗る回数について、大谷副薬剤部長は
「一度に多く塗るよりも、1日に2〜3回に分けて塗るほうが効果が高い」と話す。
同副薬剤部長らの実験では、1日3回が最も効果が高かった。


ワセリンや軟こう、クリーム、ローションの使い分けも迷いやすい。
ワセリンは皮膚の表面を覆って体の中から出てくる水分を逃がさない役目をする。
クリームやローションは天然保湿因子と水を補いながら覆う。
肌に問題がない人や若い人はワセリンでよく、乾燥肌の人や高齢者などは
ワセリンでは保湿効果が足りないことがあるためクリームやローションを使いたい。


ワセリンに比べてクリームやローションの方が皮膚への浸透性は高い。
バリア機能が低下した肌では、ローションは有効だという実験結果も出ている。


最近は化粧品でも保湿効果をうたう商品が増えている。
コーセー研究所の上原静香研究員は
「皮膚の中の保湿機能をできるだけ精緻に再現しようとしている」と説明する。
顔の保湿はトラブル防止はもちろん美容効果を上げ、老化防止にも役立つ。


寒くなって皮脂が減る冬場は、目や口の周囲などでバリア機能が低下しやすい。
「乾燥が進むと、網目状のキメが崩れ、しわとなって表れやすい」と上原研究員はいう。
顔は常に外の冷たい空気と触れており、寒さや乾燥の影響も受けやすい。
男女を問わず健康な肌を保つには、若いころから保湿を習慣づけたい。