赤ちゃんの肌、夏の暑さに要注意

誤ったケアは逆効果 赤ちゃんの肌、夏の暑さに要注意
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO44268510Y2A720C1MZ4001/



赤ちゃんは代謝活動が活発で体温が高いため
汗をどんどん出して熱を逃そうとしている。
「手足の先が冷たいくらいがちょうどよい。
赤ちゃんがいる場合はエアコンの使用を控えるべきでない」
愛育病院 皮膚科の山本一哉部長


赤ちゃんの肌はとてもデリケートだ。
表皮の厚さは大人の半分の0.1ミリメートル程度しかない。
もっとも外側の皮脂やその下の角層には
細菌やほこりが入るのを防ぐ「バリアー機能」がある。
角層内のセラミドと呼ばれる脂質や保湿成分が汗などと一緒に流れると
バリアー機能は失われる。


短時間、湯につかっただけでもこうした成分は流出するので
風呂の後はしっかりと保湿用ローションを塗る必要がある。
バリアー機能が失われると細菌などが入って炎症を起こすことがある。
ひっかくと「とびひ」が起き、症状が悪化する。


一晩寝たあとの赤ちゃんは汗やよだれ、鼻水、涙などが顔や手足に付いている。
起きたら柔らかいウエットシートなどを使って
印鑑をしっかりと押すときの要領で力を加えて汚れをとる。
こすったりぬぐったりするとすぐに表皮が壊れるので注意が必要だ。
こうしておけば汗もの広がりを防げる。


「生まれた直後の手入れ次第で、のちのちの皮膚の状態が決まる」
と山本部長は強調する。
出生後2カ月間ほどは皮脂が多いとの誤解があるが
実際には24時間以内にとれて乾燥が始まるため保湿用ローションなどによるケアが大切。


初期のケアを徹底すれば、アトピー性皮膚炎にもなりにくくなるという
岡村皮フ科医院(東京・小金井市)の岡村理栄子院長は
汗もや虫さされなどの診察の際、せっけんの使い方を説明するようにしている。
「汗もにせっけんがしみるので使わない方がよい」などの誤解が広がっているからだ。
せっけんできれいにしないと汚れや細菌の影響で、悪化の恐れもあるという。


「使うのは特別な成分が入っているものではなく、普通の固形せっけんで十分」
少量を十分に泡立て、手でやさしく洗う。その後、洗い残しがないようにお湯で流す。