子供のリウマチ

子供のリウマチ治療が大きく進歩
生物学的製剤が効果 進行止め症状を抑制
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO43923770Z10C12A7EL1P01/



全身型は高熱が続き、体に発疹ができたり肝臓などが腫れたりする。
発症時に関節の腫れや痛みが表れない患者も多く、診断が難しいという。
横浜市立大学の横田俊平教授は「大人のリウマチとは症状が異なる。
医師でも慣れていないと白血病川崎病などと見分けが付きにくい」と説明する。
また、まれにリンパ節の腫れなどを伴う重い合併症を起こす場合がある。



治療はまずステロイド剤で炎症を抑えるのが原則。
必要に応じて免疫抑制剤や抗リウマチ薬のメトトレキサートを併用する。
症状が改善しない場合はトシリズマブを使う。
横田教授によると、トシリズマブでほとんどの患者の症状が治まる。
約1割は薬を完全に止めるまで回復している。


トシリズマブは2週間に1回、通院し注射する。
炎症の原因物質に作用するため、効果が早く出る。
半年程度で安定した状態になる患者もいる。
ただし効き方は個人差が大きい。炎症が再発する場合も多く、定期的な受診が必要だ。


一方、関節型は炎症が関節などに限定される。
治療ではまず、消炎鎮痛剤やメトトレキサートを使い、その後ステロイド剤を使う。
それでも症状が改善しない場合は、生物学的製剤も使える。
アダリムマブ(商品名ヒュミラ)など3種類が適用となっている。


日本医科大学の伊藤保彦主任教授は
「副作用が比較的強いステロイド剤の影響を減らすため
最近は早い段階から生物学的製剤を使うケースも増えている」と指摘する。
ステロイド剤は骨が弱くなる、筋力が低下する、太りやすい、身長が伸びなくなる
などの副作用が知られ、悩まされる患者も多いためだ。



日本経済新聞夕刊2012年7月20日付]