リウマチ

リウマチ 早期治療で効果
http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/health/CK2012052902000133.html


関節リウマチの治療が様変わりしてきた。
発症早期から治療効果の高い抗リウマチ薬「メトトレキサート(MTX)」を服用し
生物学的製剤も積極的に用いる治療法が一般化。治療開始が早いほど効果は高く
専門家は、自覚症状があれば早期に専門医を受診するよう勧めている。


生物学的製剤は、関節の炎症を起こす物質の働きなどを抑える薬。
早く使い始めれば、痛みなどの症状が治まり
病気の進行が止まる「寛解」の状態に持ち込めることが十分可能になった。


しかも、早ければ早いほど、その可能性が高まることも明らかに。
「今は発症から一年以内に最適な治療法を始めるのが目標。
一年以内なら七割ぐらいは寛解に持ち込める」。
リウマチ指導医で、かとう整形外科(愛知県岡崎市)の院長、加藤武史さんは話す。


それには、かなり早い段階での受診が必要だ。
一般的な治療では診断後、患者は原則、MTXを服用し、三カ月後に効果を検証する。
MTXだけで症状が抑えられる人もいるが、効果が不十分なら生物学的製剤を使う。


「MTXをまずしっかり服用しないと、生物学的製剤の効きが悪くなる」と加藤さん。
MTXの服用前には激しい副作用が起きないかの検査も必要で
「『一年以内』を目指すなら、発症後半年の受診でぎりぎり」と話す。


昨年、500人を対象に実施した東京女子医大の山中寿さんらの調査では
自覚症状が出てから診断まで、6カ月以上かかった人は37・8%に上る。
関節の破壊が急激に進む「発症から2年」を過ぎて診断された人も15・4%いた。
診断までに二施設以上を受診した患者が約半数。
症状の出方が弱く、すぐに診断できないケースもあるとはいえ
山中さんは「診断までの時間がかかりすぎ」と指摘する。


東京女子医大准教授の中島亜矢子さんは
「関節のはれや痛み、こわばりが続き、思い当たる原因もなければ、専門医の受診を」と呼び掛ける。
初期に症状が出やすいのは、手首や手の指。
必ずしも左右対称ではない

発症が多いのは三十〜五十代の女性だが、十代での発症例もある。
専門医は、日本リウマチ学会のホームページで検索できる。