圧迫骨折

背骨の骨折、風船で治す つぶれた椎体に空間、セメント詰める
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転倒などで背骨がつぶれたように折れてしまう脊椎圧迫骨折。
骨粗鬆症の患者に多く、閉経後の女性を中心に
国内では推計で年間90万人近くが骨折しているという。
最近は入院期間を大幅に短縮し、痛みをすぐに緩和できる新しい治療法も広まってきた。


バルーン・カイフォプラスティ(BKP)は
90年代に米国で開発され、X線で確認しながら
骨折した椎体にバルーン(風船)を入れて膨らませる手法だ。
つぶれた椎体を元の形に近づけ、広げた空間に粘性の高い骨セメントを詰めて固定する。
手術中に固まり、すぐに痛みが緩和されるという。


風船で圧縮された組織が壁になり、漏れにくくなるのも利点だ。
BKPの臨床試験を主導した浜松医大病院整形外科の戸川大輔医師は
「多くの患者さんが痛みを安全に取り除き、自立した生活に早く戻れる。
ただ、骨粗鬆症の治療をしっかり行わないと、圧迫骨折を繰り返してしまう」と指摘する。


鳥取大病院リハビリテーション部の萩野浩部長は
骨粗鬆症の骨折では圧迫骨折が圧倒的に多く、高齢になるほど高くなる。
50歳を過ぎたら、骨密度や骨粗鬆症の検診を勧めたい」。


圧迫骨折にならないためには、骨粗鬆症の治療を早く始めることが重要だという。
骨折が治ったら背筋だけでなく、転ばないよう足腰の筋肉を鍛えることも大切だ。