冷え・痛み

漢方で解消!冷え・痛み・女性の悩み
http://www.nhk.or.jp/kenko/drq/archives/2012/03/0324.html

漢方薬を選ぶための考え方「気血水」




「気」とは、循環して生命を支える、目に見えないエネルギーのこと。
「血」とは主に血液や体を構成するもととなるもの。
「水」とは体の水分を指していて,リンパ液や汗などにあたります。


「気」の異常には
気が不足してしまう「気虚
気の流れがおかしい「気逆」
気が停滞してしまう「気うつ」などがあります。


気虚は「気力の低下」
気逆は「イライラ」
気うつは「気分の落ち込み」
などと関係していると考えられています。


「血」の異常には血が滞る「お血」、血が不足する「血虚」があり
お血は「血行不良」、血虚は「皮膚の乾燥」などと関係していると考えられています。


「水」の偏在する状態を「水毒」といい
むくみ・めまいなどの原因になると考えられています。

冷えに使う漢方薬とは




漢方では「冷え」は体に感じるものだけではなく
むくみやだるさ、めまい、肩こり、腰痛、また頭痛や頻尿など
さまざまな症状の原因になるものと考え
「気血水」の考えにあわせてさまざまな漢方薬を使って治療を行います。


「冷え」が、お血(血行不良)や血虚(皮膚の乾燥)など
「血」の異常から起きていると考えられる場合
よく使われる漢方薬の一つに「当帰四逆加呉茱萸生姜湯」があります。


これは、「冷え」が強く、苦痛を伴うほどだったり
生活に支障をきたしたりするようなタイプの方に効果が高い漢方薬です。


また、同じ「血」の異常がある場合の漢方薬としては「当帰芍薬散」もよく使われます。
これは、冷えはあるが手足などの末端だけでむくみが強い人に向くとされています。


気逆(いらいら)がある場合には「加味逍遙散」「桂枝茯苓丸」「桃核承気湯」。
気虚(気力の低下)がある場合には「人参湯」「補中益気湯」「加味帰脾湯」。
「気うつ(落ち込み)」がある場合には「半夏厚朴湯」「香蘇散」などが用いられます。


水毒(むくみ)がある場合の漢方薬には「桂枝加朮附湯」
「苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)」「真武湯」などがあります。

生活改善と冷え

生野菜や漬け物、海藻類・ビールなどは
体を冷やすと考えられていますので控えるようにし
ねぎやしょうが、にんにくなど体を温める食材を取り入れるようにしましょう。

痛みに使う漢方




「抑肝散」は、痛みに対して過敏になっている神経に働き
痛みを抑えることができると考えられています。
また「四逆散」「半夏厚朴湯」「香蘇散」なども痛みに対して効果があります。


「治打撲一方(ぢだぼくいっぽう)」は
腫れがある場合や、傷が残っている痛みに効果があります。


「当帰四逆加呉茱萸生姜湯」「麻黄附子細辛湯」
「苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)」は体を温めて
いわばお風呂に入っているような状態を維持して痛みを軽減するものです。