本態性振戦

頭が小刻みに左右にふるえる
http://www.asahi.com/health/doushimashita/TKY201202160299.html



51歳の女性。
10年ほど前から、頭が小刻みに左右にふるえるようになりました。
指摘され、気づきました。緊張したり腹が立って興奮したりすると、特にふるえます。
人前で恥ずかしいです。亡き母も頭が揺れていました。
ほかに症状はありませんが、病気でしょうか。(福島県・S)


◆答える人 岩田誠先生・東京女子医大名誉教授(神経内科


Q ふるえるそうです。
A パーキンソン病でもまれに頭がふるえますが、縦に揺れるのが特徴です。
「イヤイヤ」というように左右にふるえるのなら
「本態性振戦」という病気の可能性があります。


Q 聞き慣れない病名ですね。
A 病名は「原因不明のふるえ」という意味です。
めずらしい病気ではありません。
患者は主に中高年で、40歳以上の16人に1人は症状があるという報告もあります。


Q どんな病気ですか。
A 日常的に起こるふるえが唯一の症状です。
手のふるえが圧倒的に多いのですが、高齢になると頭がふるえる人も目立ちます。
活動時に働く交感神経が関係するとされますが、原因は分かっていません。
相談者のように、肉親にも同じ症状があるという人は多く
遺伝的な要因もあると考えられています。


Q どう対処したらよいですか。
A この病気だとしたら、通常は治療せずに放っておいて問題ありません。
むしろ、緊張したりストレスがあったりすると症状が強くなるので
気にしすぎないことです。「ふるえは個性」と開き直ることも大切です。


Q 治療したほうがよいケースはありますか。
A 手がふるえ、箸やペンが使えないなど日常生活に支障をきたす場合です。
神経内科などで相談してください。
症状を軽くするため、交感神経の働きを抑えるベータ遮断薬が使われます。
ただ、手のふるえは和らぐことが多いですが
頭のふるえにはあまり効果が期待できません。
副作用でぜんそくの患者は使えないので注意が必要です。