国債利回りって何?

質問なるほドリ 国債利回りって何?
http://mainichi.jp/select/wadai/naruhodori/news/20111204ddm003070171000c.html



国は利率などの条件を決めて国債を発行しますが
発行後は市場で売買されて価格が変動します。
財政が悪化した国の国債は、リスクが高いとみなされて
売り注文が増え、価格が下がります。
価格と利回りは反比例するので、価格が下がると利回りは上昇するのです。

Q どうして価格が下がると利回りが上昇するの?

A 年利1%で発行されて10年で満期となる額面100万円の国債
市場で95万円で買ったとしましょう。購入者は発行時の約束に基づき
年1万円(額面の1%)の利子の支払いを10年間受けます。

満期時には元本100万円が戻ってきますから、10年間で計110万円を受け取ります。
ここから購入額の95万円を引いた15万円が「もうけ」です。
1年当たり1万5000円のもうけを購入額の95万円で割れば
年間利回りは1・57%になります。
値下がり時に買ったので、発行時点の利率1%より上昇していますね。

Q  でも、国が支払う利子は増えないよね。どうして利回りが上昇すると困るんだろう。

A 新たに国債を発行する時に困るのです。
市場で利回りが1・57%に上昇している時に
年利1%の条件で発行しても買い手がつかないので、利率を引き上げざるを得ません。
ギリシャの場合、10年物国債の利回りが30%を超えています。
こんな利率では負担が重すぎるので、ギリシャ
欧州連合(EU)などから低利でお金を借り入れ、資金繰りをつけています。

Q 何%まで上昇すれば財政破綻に追い込まれるの?

A 一般的に危険水域と言われるのは7%台です。
この水準まで上がると、利払い費用が大きな負担となり
雪だるま式に財政赤字が増え、自力での財政再建が難しくなります。
ポルトガルアイルランドも7%台に乗った後、EUなどへの金融支援要請に追い込まれました。

Q 最近は、フランスなど財政が比較的健全な国の国債利回りも上昇しているね。

A フランスの銀行はイタリアなど財政悪化国の国債を大量に保有しています。
損失で傷んだ経営基盤を補強するため、巨額の公的資金を投入すれば
国の財政が悪化するとの観測があり、国債が売られています。