咳喘息

咳喘息の完治は可能か
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=48877


Question

最近咳が止まらず、咳喘息と診断されました。
普通の喘息と何が違うのですか。完治は可能なのでしょうか。(67歳女性)

Answer

「咳喘息」と普通の「喘息」は、実はとてもよく似た病気です。
どちらもその原因の多くは
家の中のダニ、ホコリ、ペットの毛などの抗原に対するアレルギーです。
このアレルギーによって気管支の粘膜に慢性的な炎症が生じ
気道全体が異常に敏感な状態(気道過敏性)になると
健康な人なら何でもないような軽い刺激、例えばそれらの抗原や冷たい空気
たばこの煙、大気汚染物質などの吸入で簡単に咳が出てしまいます。これが咳喘息です。


この状態が長期間続くうちに気管支の炎症が強くなり
やがては咳だけではなく、気道を取り囲む「気道平滑筋」が収縮します。
すると気道が狭くなって呼吸が苦しくなり
呼吸音に「ヒューヒュー、ゼーゼー」といった音が混じる発作が起きるようになります。
これが喘息です。


言い換えると、咳喘息の症状は咳だけで、典型的な喘息発作はありません。
このように、「咳喘息」は喘息のうちの最も軽症な型
あるいは「喘息」の前段階というふうに考えられています。


この病気はアレルギーが原因ですので、風邪などとは違って完治は難しいのですが
薬によって症状をコントロールすることは可能です。


最近では、咳喘息の状態で治療せずに放置しておくと
患者の3人に1人は将来的に喘息になると言われています。
そのため、咳喘息と診断された段階で
吸入ステロイドなどの抗炎症薬による治療を行うことが勧められます。


玉置淳先生 東京女子医大病院 呼吸器内科教授
(2011年10月19日 読売新聞)