子宮内膜症

子宮内膜症 人生設計ふまえ治療選択
http://www.asahi.com/health/ikiru/TKY201110100151.html



子宮内膜は、子宮の内側にある粘膜で、排卵に伴い厚くなる。
妊娠しないと、はがれ落ち、月経血として排出される。


子宮の内側以外にできた内膜が、炎症を起こすのが子宮内膜症だ。
月経血が逆流し、何らかの理由で骨盤内の腹膜や卵巣に付き
月経を重ねるたびに大きくなると考えられている。
多くの患者が「痛みが年々強くなる」と感じるのはこのためだ。


国内の患者数は、100万人は下らないとされる。
「初潮の低年齢化と女性の晩婚化・少子化の影響で、生涯の月経回数が増えたため
患者は増えている」と、東大病院女性診療科・産科の大須賀医師は言う。


主な自覚症状には月経痛(90%)、月経時以外の下腹部痛(69%)
腰痛(64%)、排便痛(62%)、月経過多(45%)、不妊(38%)などがある。


痛みから解放されたい人に効果があるのが薬物療法だ。
排卵を抑え、月経量を減らす低用量ピルや
内膜の増殖を抑えるホルモン系治療薬などがある。
ただしこの方法は、すぐに妊娠を望む人には向かない。


手術には、将来の妊娠に備えて内膜症だけを取り除く保存手術と
卵巣や子宮を摘出する根治手術がある。


チョコレート嚢胞は放っておくと、約0.7%ががん化する可能性がある。
40歳以上で嚢胞が4〜6センチ以上ある場合は、卵巣摘出を検討した方がいい。


子宮内膜症は根治手術をしない限り慢性化する可能性が高い。
ライフステージに合わせ医師とよく話し合って欲しい」と大須賀さんは話す。