RSウイルス

妊婦が一番知っておくべきRSウイルス
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1108/1108078.html



妊婦のRSウイルス(RSV)の認知度はわずか2.4%で
7割は名前を聞いたことがなく,3割はどのような病気かを知らない…。


昭和大学小児科学教室准教授の水野克己氏は
「早産児の親に対してRSVの説明をしなかったならば
後で問題になる可能性もあるだろう」と警鐘を鳴らした。


水野氏によれば、世界では人口10万人当たり5.3人
年間60万人の乳児がRSV感染によって命を落としており
百日咳と並び,生後6カ月までの乳児にとって最も怖い感染症である。


1歳までに7割が感染し
初感染した乳児の3分の1が下気道感染を起こす。

また,急性期を超えても影響が残り,RSV細気管支炎で入院した児はその後2年間の
入院率・死亡率が高いことや,喘鳴,喘息のリスクが高いことが報告されている。

3歳までにRSV下気道感染を起こした場合,反復性喘鳴などの影響が11歳ころまで残る
というデータもあり,同氏は「乳幼児期の子育てが大変になる」と指摘する。


RSV感染リスクの因子は,「在胎週数38週未満」で3.4倍
入院のリスク因子は「兄弟がいる」で4倍,「家庭内喫煙」で5倍などである。
また,早産児や慢性呼吸器疾患,心疾患を持つ児では重症化の恐れが高い。


抗RSVモノクローナル抗体薬のパリビズマブ(商品名シナジス)は
RSV感染症の重症化を抑制し,繰り返す喘鳴や将来の喘息を予防する効果を持つ。

投与対象は,在胎36週未満の早産児や慢性呼吸器疾患,先天性心疾患を有する児。
同氏は「早産児のお母さんにRSVのリスクやパリビズマブ投与の説明をしないと
大変なことになる。裁判になったら負けるでしょう」と述べた。


RSVは通常冬に流行するが
国立感染症研究所感染症発生動向調査感染症週報」によると
今年(2011年)は,早くも7月中から流行の兆しが見られている。


同氏は,RSV感染を避けるためには
兄・姉の手洗い,うがい,人が集まる場所を避けることが必要とし
さらに感染の影響を軽くするため,「母乳育児」と
「妊娠中のビタミンD摂取」を強く推奨する。


RSウイルス感染症
http://www.pref.aichi.jp/eiseiken/67f/rs.html