Treat to Target

関節リウマチ診療に激変「T2T」の時代へ 慶大・竹内勤氏が解説
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1108/1108022.html


関節リウマチ(RA)診療は,この数年で世界的に激変している。
米国リウマチ学会(ACR)/欧州リウマチ学会(EULAR)は,昨年(2010年)の
「新分類基準」に続き,今年「新寛解基準案」を発表。
さらに,「目標達成に向けた治療(Treat to Target,通称T2T)」
(Ann Rheum Dis 2010; 69: 631-637)の世界的な取り組みが本格的に始まった。


慶應義塾大学リウマチ内科教授の竹内勤氏は
「今やRA診療はトップレベルの寛解を目指す時代に突入し
QOLの長期維持も現実的になりつつある」と述べ,T2Tのさらなる普及を呼びかけた。


生物学的製剤の登場がRA診療に大きな前進をもたらしたが
すべての患者が同薬を使用しているわけではない。
RA患者が生物学的製剤処方を断る理由として最も多いのが
「経済的理由(55%)」
「病状がそこまで悪くないと思うから(43%)」
「現状の治療で満足しているから(22%)」
である。


確かにメトトレキサート(MTX)は関節破壊をある程度抑えるため
MTX投与例でこのように考えるのも分からなくはない。
しかし,竹内氏は「疾患活動性が高くない段階で生物学的製剤を投与すると
寛解達成率は高くなる」ことを挙げ,併用を勧めている。


竹内氏は「中等度活動性RA患者であっても,生物学的製剤が未投与であれば
現状に満足せずに,長期QOLを視野に治療を考慮すべきだろう」と述べ
発症からなるべく早い段代で寛解導入することの重要性を訴えた。