宝くじを買う人は金持ちにはなれない

宝くじは「愚か者に課せられた税金」 橘玲 
http://www.tachibana-akira.com/2011/07/2821



「宝くじを買うひとはお金持ちにはなれない」ともいわれています。
その理由は、小学生でもわかるような単純な期待値の計算ができないからです。


あらゆるギャンブルは、賭け金からショバ代(経費)が差し引かれ
残金の合計を勝者(当選者)が総取りする仕組みになっています。


ある賭けに100円を投じたとき、そのうち
いくら払い戻されるかがギャンブルの期待値で
競馬や競輪など公営ギャンブルの期待値は75円(経費率25%)です。


この期待値はゲームの種類によって異なり、
ラスベガスのルーレットは約95円
パチンコやスロットは約97円とされています。


プロのギャンブラーにバカラ賭博が好まれるのは
ゲームが面白いからではなく、
期待値が約99円ときわめて高いからです。


日本の宝くじは
平均的な期待値が47円と恐ろしく低いことが特徴です。


サマージャンボを3000円分買ったとすると
その瞬間に1590円が日本宝くじ協会によって差し引かれてしまいます。
これほど割に合わないギャンブルはほかにはないので
「宝くじは愚か者に課せられた税金」と呼ばれるのです。


宝くじを買うひとは誰もが1等当せんを期待するでしょうが
その夢がかなうのは交通事故で死ぬ確率よりもはるかに低いのですから
購入者が合理的であれば、大金持ちになる前に
交通事故死してしまうと考えて買うのをやめるはずです。


それでも膨大な数の宝くじ愛好家がいるのは
自分の人生にはとてつもなく幸運なことが起きるかもしれないが
それほどの不幸はないだろうと楽天的に考えているからです。


宝くじというのは、マトモに考えれば成り立つはずのない賭け事ですが
行動経済学的にいうならば、確率を正しく計算できない不合理性と
天性のポジティブシンキングに支えられて大繁盛しているのです。