犬の恩返し

愛犬、83歳女性救う…散歩コースと逆の高台へ

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110326-OYT1T00434.htm
東日本大震災


女性は、海岸から約200mの岩手県宮古市に住んでいた赤沼さん(83)。
シーズー犬「バブ」と自宅の居間でくつろいでいるときに地震に襲われた。
蛍光灯が消えると、バブはせわしなく走り回り
尾を強く振って鼻をクンクン鳴らしたという。


赤沼さんが「散歩の時間にはまだ早いのに」と思いながら
玄関先で首にリードをつけていると
防災無線大津波警報の発令を知らせていた。
玄関を開けると、バブも勢いよく飛び出し
いつもの散歩コースと逆の高台へ向かった。


赤沼さんの歩みが緩むと、バブは振り返って歩みを促すようなしぐさを見せ
追いつくと勢いよく前へ出た。それを繰り返すうちに
自宅から約1キロ離れた避難所への急坂を一気に上りきっていた。


振り返ると、歩いてきた道は津波にのみこまれ、自宅も濁流の中に。
普段は散歩も嫌がるバブの行動に、赤沼さんは「津波を予知してたのかも」
バブは今、近隣地区の集会場で赤沼さんら住民約60人と避難生活を送る。
(2011年3月26日 読売新聞)