半世紀にわたるワルファリン時代に終止符?
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1102/1102055.html
約50年ぶりとなる新しい抗凝固薬としてトロンビン阻害薬ダビガトランが
今年(2011年)1月、申請から10カ月の短期間で製造販売承認を得た。
ワルファリンが肝臓で合成されるビタミンK依存性の凝固因子の合成を
阻害することによって間接的にトロンビン作用を阻害するのに対し
トロンビン阻害薬は直接的にトロンビンを阻害するいわば「分子標的薬」といえる。
したがって
(1)ビタミンKの影響を受けるワルファリンでは
納豆や緑黄色野菜などの摂取制限があるが、トロンビン阻害薬では食事制限がない
(2)ワルファリンは肝臓での代謝酵素の影響は受けるが
トロンビン阻害薬は受けないため薬剤相互作用がほとんどない
(3)ワルファリンでは薬効に個体差や変動があるが、トロンビン阻害薬では
一定の効果が個人差なく発揮されるためモニターの必要性がない
という利点が生じる。
さらに,抗凝固作用が可逆的であるため,手術や内視鏡の前後の調整が行いやすくなる。