ガランタミン、メマンチンが承認

ガランタミン、メマンチンがついに承認
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t126/201102/518464.html


1月21日、ガランタミン(商品名レミニール、ヤンセンファーマ)と
メマンチン(メマリー、第一三共)が承認され、春には発売される。





ガランタミンには、ドネペジルやリバスチグミンと同様に
アセチルコリンエステラーゼの阻害作用がある。それ以外にも、ニコチン受容体に結合し
前膜ではアセチルコリンの放出を増強、後膜では受容体の感受性を高める作用がある。

 
ただし、ドネペジルにはない作用もある。
これはニコチニックAPL作用と呼ばれるもので
アセチルコリンが結合するニコチン受容体の、別の部位にガランタミンが結合すると
シナプス前膜ではアセチルコリンの放出が増え、後膜ではニコチン受容体の感受性が高まり
シグナルの伝達が増強されるというもの。
ガランタミンの適応は軽度および中等度のAD患者。

作用機序が異なるメマンチン

一方、メマンチンはアセチルコリンエステラーゼ阻害作用とは全く異なる作用機序を持つ。
脳内の主要な興奮性神経伝達物質であるグルタミン酸に対して拮抗作用があるため
グルタミン酸の受容体(NMDA受容体)にメマンチンが結合すると
グルタミン酸の興奮毒性を阻止し、神経細胞の障害や細胞死を防ぐ。





メマンチンは、過剰なグルタミン酸刺激により活性化したNMDA受容体に
拮抗作用を及ぼすことで、細胞内への過剰なCaイオンの流入を阻害し神経細胞の傷害を防ぐ。


メマンチンの適応は、中等度から高度のAD患者となっており
海外では、ドネペジルとの併用例も多い。


軽症の患者には、ドネペジルかガランタミンのいずれかを処方する。


また、現在申請中のリバスチグミン(ノバルティス/小野)は唯一の貼付剤だ。
同薬のカプセルの場合に見られる副作用(吐き気や嘔吐などの消化器系の有害事象)が
貼付剤ではより少ないとされる。


昨年10月に改訂された日本神経学会監修の「認知症疾患治療ガイドライン2010」は
ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミン、メマンチンの合計4剤を
「使用するよう薦められる(グレードA)」としている。

運動と降圧薬で予防効果

認知症疾患治療ガイドライン2010」によると
主な後天的危険因子は、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの血管性因子と喫煙
防御因子としては適量のワイン、身体運動など。




生活習慣病」は危険因子

 観察研究では、糖尿病とADとの関連が注目されている。
代表的な前向きコホート研究のRotterdam Studyでは
糖尿病患者は、そうでない人の約2倍ADを発症しやすかった。
また、久山町研究では剖検を高率に行いAD発症について検討しているが
その結果からも耐糖能異常がある群は、ない群に比べてAD発症率が約2.5倍高い
という結果が得られている。