ジャヌビア 

ジャヌビア錠発売1周年記念講演会 MSD

LOISIR HOTEL NAHA  ロワジールホテル

特別講演

CGM(持続血糖モニター)からみた糖尿病治療戦略〜血糖変動制御の意義〜
◎ 森豊先生(東京慈恵会医科大学附属第三病院糖尿病・代謝・内分泌内科准教授)



CGM(continuous glucose monitoring)は
センサーを皮下脂肪組織に留置し、組織間液中のブドウ糖濃度を測定。
これを血糖値に換算して表示する。24時間で288個の血糖値を把握できる。


CGMによって、これまでブラックボックスであった食後や夜間・深夜の血糖の動きを
24時間連続して捉えることが可能になった。









同じHbA1cを示す糖尿病患者でも、HbA1cの質が違う。
HbA1cはしょせん平均値であり、血糖変動幅をとらえられない。
1,5-AGは数日間の変動を反映し、血糖変動幅の指標となる。
1,5-AG値10以下は食後血糖が高い。


グリニド薬は単なる弱いSU薬か?
CGMでアマリール0.5mg 3×と比較すると全然違う。
アマリールはだらだらとインスリンを出させ夜間・深夜の血糖を下げてしまう。


SU薬単独では危険。
HbA1cは7%まで下げたら、SU薬の投与量は減らすか維持し
ジャヌビアかαGIを追加する。


SU薬単独時には食後の時間帯は血糖値が高いものの
夕食前や夜間・深夜はかなり低く、それらが相殺され
見かけ上の平均血糖値は低下しHbA1cも6.3%と良好な値を示した。
つまり、一見血糖管理はうまくいっているように見えるが
裏には食後高血糖や夜間の低血糖が潜んでいるという状況である。
ここにジャヌビアを加えたところ
食後の高血糖が是正され、夜間・深夜帯の低血糖も消失していた。


まとめ
血糖日内変動の視点から見た経口血糖治療薬の現状と課題
1.心血管疾患発症阻止を見据えた糖尿病治療ではHbA1cのみではなく血糖変動幅が重要。
2.SU薬はHbA1cを低下させても血糖変動幅は縮小させない。
3.αGIやグリニドは血糖変動幅を縮小させる有用な薬剤であるが
  その効果はHbA1cに反映されない。
4.ジャヌビアはHbA1cを低下させるのみならず、血糖変動幅も縮小させる。

reference
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtnews/2010/M43310701/
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t015/200807/507290.html