抗アレルギー薬で押さえておきたいポイント

笹嶋勝「クスリの鉄則」
アレルギー治療薬(その3) http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/di/column/tessoku/201101/518013.html


プランルカスト水和物(オノン)

抗アレルギー剤は即効性がないと言われますが、鼻づまりには非常に早く効くと言われ
鼻水には抗ヒスタミン剤、鼻づまりには本剤、といった使い分けも見かけます。
CYP3A4で代謝されるため、併用薬との相互作用に注意が必要です。

モンテルカストナトリウム(キプレス、シングレア)

成人用製剤である普通錠は、気管支喘息アレルギー性鼻炎の適応を持ちますが
小児用製剤であるチュアブル錠や細粒は、気管支喘息の適応のみです。
チュアブル錠は普通錠と比較してバイオアベイラビリティが高いため
代用しないこととされています。
一方で、1歳以上6歳未満では年齢に関わらず4mg投与、6歳以上では5mg投与と
一般的な薬剤に比べると非常に大まかな投与量設定になっています。

ラニラスト(リザベン)

妊婦への投与が禁忌ですので、注意が必要です。
アトピー性皮膚炎の適応を持ちます。
ケロイドや肥厚性瘢痕に適応を持つのも特徴で、形成外科でよく用いられます。


通常の抗アレルギー薬がI型アレルギーのみに効果があるのに対し
本剤はIII型アレルギーにも効果があると言われています。
適応外ですが、III型アレルギーが関与すると言われる滲出性中耳炎に用いられたり
PTCAでステントを留置した場合や気管支結核後の気管支狭窄に対して
ステント留置を行ったした場合の再狭窄予防にも効果があると考えられ
実際に用いられている処方も散見します。


副作用として問題となるのが膀胱炎症状です。
これは「なんとなくトイレが近いかも」という程度でなく
尋常でない症状として現れますので、事前の情報提供にも工夫が必要になります。