静岡新聞「薬の相談室」より
大石順子先生 静岡県薬剤師会・医薬品情報管理センター所長
回答
気を付けていただきたいのは、今までたばこを吸っていたので
肝臓の薬物代謝酵素が誘導され、オランザピンの代謝が早まっている可能性があり
急にたばこをやめると薬の代謝が遅くなるので、薬の効果が強くなったり
副作用が強く出る恐れがあります。
禁煙による酵素誘導の減弱は、1週間程度で起こるという報告もあるので
禁煙開始直後からしばらくの間は様子を見て、オランザピンの量を
徐々に減らしていく必要があるため、かかりつけ医とよく相談してください。
禁煙により薬の代謝が変化する薬としてよく知られているのが
テオフィリン(テオドール)や統合失調症治療薬のクロザピン(クロザリル)
抗がん剤のエルロチニブ塩酸塩(タルセバ)、抗HIV薬のリトナビル(ノービア)がありますが
フルボキサミン塩酸塩(デプロメール、ルボックス)、メキシレチン(メキシチール)
フレカイニド(タンボコール)などについても注意が必要です。