ジプレキサ服用中の禁煙

静岡新聞「薬の相談室」より

大石順子先生 静岡県薬剤師会・医薬品情報管理センター所長

質問

46才男性
たばこの値上げ前に買いだめした分が底をついたので禁煙しようと思います。
現在、神経科ジプレキサを処方されていますが、禁煙補助剤との相互作用はないでしょうか?

回答

気を付けていただきたいのは、今までたばこを吸っていたので
肝臓の薬物代謝酵素が誘導され、オランザピンの代謝が早まっている可能性があり
急にたばこをやめると薬の代謝が遅くなるので、薬の効果が強くなったり
副作用が強く出る恐れがあります。


禁煙による酵素誘導の減弱は、1週間程度で起こるという報告もあるので
禁煙開始直後からしばらくの間は様子を見て、オランザピンの量を
徐々に減らしていく必要があるため、かかりつけ医とよく相談してください。


禁煙により薬の代謝が変化する薬としてよく知られているのが
テオフィリン(テオドール)や統合失調症治療薬のクロザピン(クロザリル)
抗がん剤のエルロチニブ塩酸塩(タルセバ)、抗HIV薬のリトナビル(ノービア)がありますが
フルボキサミン塩酸塩(デプロメールルボックス)、メキシレチン(メキシチール
フレカイニド(タンボコール)などについても注意が必要です。