糖尿病治療ガイド2010

「糖尿病治療ガイド2010」の重要な変更点
北里研究所病院糖尿病センター 山田 悟先生
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1009/1009039.html


2010年8月26日、日本糖尿病学会から「糖尿病治療ガイド2010」が発行された。

診断基準の変更

まず,「糖尿病治療ガイド2008-2009」との大きな相違点は診断基準である。
変更があったのは,「糖尿病型」の定義である(表1)。



「糖尿病治療ガイド2010」においては
1〜3のいずれかと4とが確認された場合には
その日に糖尿病と診断してよいことになっている。
また,初回検査と別の日の再検査のいずれかで
血糖値による診断基準を満たしていなくてはならない
HbA1c値のみで診断してはならない)ことになっている。

HbA1cの標準化

日本糖尿病学会では
北米で用いられているNGSP値に相当する値を国際標準値として採用することにした。
この国際標準値は既存のHbA1cJDS値)に0.4を加えた値となる。
JDS = Japan Diabetes Society
NGSP = National Glycohemoglobin Standardization Program


日常臨床・検診・健康診断などの場においては
従来のJDS値で表記されたHbA1c値を継続して使用するものの
将来的には日本糖尿病学会が別途告示する日時をもって
国際標準値に全国一斉に変更することとされた。

インクレチン関連薬の登場

糖尿病治療ガイド2010」では
DPP4阻害薬をインスリン分泌促進系の薬剤としてSU薬と同じポジションに位置付けた。
また,GLP-1受容体作動薬についてもファーストラインから使用可能な薬剤として
位置付け、追加・変更薬として、セカンドラインでも使用可能とした。