葛根湯 VS 麻黄附子細辛湯

漢方スクエア
センプククリニック院長 千福貞博先生
http://www.tsumura.co.jp/password/magazine/125/rensai.htm
  


葛根湯の構成生薬の数(薬味数)は
うどんにかける唐辛子と同じく七味(7種類)です。
麻黄附子細辛湯(マオウブシサイシントウ)(TJ-127)の構成生薬は
名前の通りで、「麻黄」と「附子」と「細辛」の3種だけ、薬味数は3です。


一般に薬味数が少ないものは、切れ味が鋭く即効性があるとされています。
このことを考慮に入れて、葛根湯と麻黄附子細辛湯を比較すると
効果があった場合には、麻黄附子細辛湯の方がシャープに効くことになります。
実際、この薬が適応通りに効けば、医師・患者ともに驚くほど速くカゼが治ります。


両剤の使い分け、すなわち鑑別診断には
脈の性状で処方を決定する脈診法が有用です。


「浮脈」とは、橈骨動脈拍動が皮膚すれすれで触れる状態をいい
「沈脈」とは、深く沈んで、橈骨近くで初めて触れる脈をいいます。


「浮脈」には葛根湯を
「沈脈」には麻黄附子細辛湯を用います。