http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/di/diquiz/ より一部改変
◆Question
２２歳、妊婦
妊婦検診でクラミジアと診断され、夫も一緒に治療するようにと言われました。
同じ病気なのに、私と夫の薬はどうして違う薬なのですか？
それと今、妊娠４カ月目ですが、クラリスで赤ちゃんに影響は出ませんか？
妻の処方せん（産婦人科）
クラリス錠200 2錠
分2 朝夕食後 14日分
夫の処方せん（泌尿器科）
ジスロマック錠250mg 2錠
分1 夕食後 3日分
◆Anser
クラリスもジスロマックも、どちらもクラミジアに有効なお薬です。
妊婦にはクラリスの方がよく使われます。
ジスロマックは効果の高いお薬で、服用期間も３日と短くて済むのですが
発売されてからそれほど時間が経っておらず、妊婦さんが飲んだ場合に
安全であるかどうかまだよくわかっていません。
ですので、先生は奥さんには、より安全性の高いクラリスを処方されたのだと思われます。
クラリスを妊婦さんが飲んだ場合に、赤ちゃんによくない影響が出たという報告は
今のところありません。
◆解説
女性の場合、クラミジアは最初に子宮頸管から感染して子宮頸管炎を起こす。
それから子宮内膜、さらには卵管を経て骨盤内へと感染が拡がって
子宮内膜炎や卵管炎を発症する。
その結果、卵管閉塞や骨盤内癒着を来し、不妊症の原因となる。
また、妊娠中に感染していれば、流早産を誘発するほか、出産時の産道感染で
新生児にクラミジアによる結膜炎や肺炎が起こる恐れがあることも知られている。
妊婦感染例には、テトラサイクリン系とニューキノロン系薬剤の投与が
胎児への影響から禁忌であるため、マクロライド系薬剤しか選択肢はない。
