インクレチン関連薬

「インクレチン関連薬をどう使う」より一部改変
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t065/200912/513214.html&di=1




インクレチン

かなり以前から、ブドウ糖を経口投与すると、同じ量を経静脈投与した場合よりも
インスリンの分泌量が2倍以上も多くなることが分かっていた。
それは、インスリン分泌を促すホルモンが消化管から分泌されているためと考えられた。


これがインクレチンによる作用であるとされ、実際の活性物質の探索が行われた結果
主に小腸下部のL細胞から分泌されるグルカゴン様ペプチド1(GLP1)と
小腸上部のK細胞から分泌されるGastric Inhibitory Polypeptide(GIP)が見いだされた。


低血糖、体重増加がない

インクレチンは膵β細胞からインスリンの分泌を促進させるのだが
高血糖のときのみ作用するため、低血糖を起こさないのが大きな特徴だ。


血糖降下作用については
欧米の投与患者数千例を解析したメタアナリシスの結果が既に出ている。
それによれば
DPP4阻害薬ではHbA1cを0.74ポイント
GLP1アナログでは0.97ポイント下げていた。



実はインクレチンには、膵β細胞への作用だけでなく
胃からの食物の排出を遅らせたり、中枢神経に働き食欲を抑制する
肥満を抑制するといった多くの作用がある。


メタアナリシスでは
GLP1アナログのエキセナチドはプラセボと比較して、体重を1.44kg減らしたという。
さらに、GLP1アナログでは膵β細胞の保護作用も認められている。
これらの作用も、2型糖尿病の治療にはプラスとなる。


ジャヌビア/グラクティブ 1日薬価は216.90円