コールセンターの恋人

TV朝日 「コールセンターの恋人
コメディだけど最終回は泣いてしまいました。



青山響子が姿を消して一週間が経った。
AM3:15 
お客様窓口の電話が鳴る。
電話を取る戸倉。
公衆電話で鼻をつまんで喋る青山。
戸倉は電話の相手が青山響子だと気づいている。


(中略)


戸倉 「その水筒はお気に入りなんですね。誰かからのプレゼントですか?」
青山 「小さい頃、父親と旅をしていて
    知らない町の商店街で福引をして、3等賞の景品でした。
    私はまだ小さくてガラガラに手が届かなくて、父が抱き上げてくれました。」
《回想》
少女が父親と福引をしている。
黄色い水筒が当たって喜んでいる少女。
父親に肩車をしてもらっている。

 
戸倉 「その水筒を持って、お父さんと旅を続けたんですね・・・それから?」
青山 「・・・・・旅はいつか終わる、ということです。」
戸倉 「・・・・・」


青山 「あなたはこんな夜中に、そんな所で何をしているんですか?」
戸倉 「お客様の電話に出ています。」
青山 「一晩中?」
戸倉 「一年前、僕はボロボロで、夜中の3時15分にここへ電話した時
   電話に出た女の人(青山響子)がこう言いました。
   ”思い通りにならない人生を生き続けなさい”と。
青山 「・・・・・」
鼻をつまんでいた指が力を失っていく。

戸倉 「彼女の電話の声で救われた人は僕の他にも大勢いるはずです。」
青山 「・・・・・」


戸倉 「でも、彼女は今、ひとりぼっちじゃないかと思うんです。
    どこかで迷子になっているんじゃないかと・・・」
青山 「なぜそう思うのですか?」
戸倉 「ここに電話をしてくる人はみんなそうです。
    お客様の苦情は、より良く生きたい、もっと幸せになりたい
    そういう気持ちの裏返しです。」
青山 「・・・・・」


戸倉 「だから、僕はここでその人の帰りを待っています。」
青山 「・・・・・」


戸倉 「あなたはひとりじゃない。」
青山 「・・・・・」


戸倉 「・・・・・」
青山 「・・・・・(涙流れる)」
無言で電話を切る青山響子。