H1N1 vaccine

新型インフルエンザワクチンで薬害を起こさないために上昌広先生 (東大医科研 准教授)
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/opinion/mric/200908/511920.html





エビデンスのない新型インフルエンザワクチン】

意外かもしれませんが、季節性インフルエンザワクチンには、あまり予防効果はありません。
重症化を防ぐ可能性があると言われていますが、それも100%ではありません。
その効果は、ワクチンの型が合っていない場合10〜30%、型が合っていても40〜80%程度です。


実は、厚労省が季節性インフルエンザワクチンの有効性を認めて
予防接種法に位置づけているのは、65歳以上と基礎疾患のある人だけです。
裏返せば、厚労省は、それ以外の人々には定期接種するほどの
安全性・有効性は明らかではないと考えていることになります。


では、新型インフルエンザワクチンの効果はどうでしょうか。
新型インフルエンザワクチンも、季節性インフルエンザワクチンと同程度の効果
と推測されていますが、世界中で初めて使うのですから、どの国もどの製薬企業も
十分なデータを持っていません。
既に治験を始めている国もありますが、治験では、少数の患者を対象に
短期間しか観察できませんから、長期的な有効性や稀な副作用(副反応※)に関して
十分な情報を集めることが出来ません。
つまり、新型インフルエンザワクチンに関しては、有効性も安全性も
よくわからないまま使おうとしていることになります。

【副作用(副反応)は避けられない】

このように考えると、我が国では、十分な議論をしないまま
エビデンスのないワクチンが多数の国民に接種されようとしていることになります。
仮に、副作用の頻度が0.01%〜0.001%程度であったとしても
数千万人にワクチンを接種すれば、数百人〜数千人に副作用(副反応)が起こり
重大な社会問題を引き起こします。


もし、新型インフルエンザの致死率が高く、ワクチンによる救命が期待できるなら
接種は合理的です。
しかしながら、現時点で有効性・副作用(副反応)に関する情報は限られています。
誰もワクチンのリスクとベネフィットを天秤にかけることが出来ません。


このような状況の中、WHOは、ワクチンを大規模に接種すれば
副作用(副反応)は避けられないと明言しています。
さらに、各国が少数のデータで迅速承認するのであれば
安全性への配慮を忘れてはならないと警告しています。


※辰巳君の指摘により(副反応)と書き加えました。