実践的糖尿病研究会 Sanofi Aventis 

実践的糖尿病研究会
サノフィ・アベンティス sanofi aventis


Culture Resort Festone

特別講演

インスリン療法について再度考える」
東京女子医大糖尿病センター 教授 内潟安子先生


Diabetes Care 1月号の表紙は1922年、8歳の少女が
インスリンの発見者バンチングに宛てて書いた手紙である。
1型糖尿病の少女はインスリン注射で死の淵から蘇り
その後結婚し、子供を産んだ。
その子孫も3代に渡って1型糖尿病で、彼女の孫はいま医者をやっている。

http://www.dm-net.co.jp/pre/2009/04/02.php


患者がインスリンを嫌がる理由は痛いからではない。
インスリンに縛られる生活が嫌なのである。


日曜日は朝寝坊をしたい。
金曜日は飲みに行きたい。
コース料理も食べたい。


食べ物によって血糖値の上がり方は違う。
若い女性は生理で血糖値が上がる。
夏はインスリンが効きやすく、冬は効きにくい。
風邪をひいたら、インスリン拮抗ホルモンやサイトカインで
何も食べなくても血糖値が上がる。


患者の生活パターンにあわせて
超即効型〜持続型のインスリンを選択し
平日、休日、運動する日のインスリンの単位を調節する。


低血糖を経験した患者は自分でインスリンの単位を減らし
血糖コントロールが悪くなる。
医者は何曜日の何時に低血糖を起こしたのか
いつインスリンを打ったのか、どんな食事だったのか
などを聴取し、原因を探らなければならない。
たいていは食前に打たず、食後に注射している。
上がった血糖はインスリンで下げればいいと思っている。
それが低血糖になる原因であることが多い。


シックデイに気をつけろというが、風邪をひくのは年に1回くらいだろう。
朝寝坊して朝食が食べられなかった時とか
胃カメラや血液検査で朝食を抜いて来いとか言われた時の対応も大事。


患者には酒やタバコをやめろとは言わない。
禁止を禁止している。
寿命が延びたとしても、それがベストとは言えない。

Elliot Joslin said
"Insulin is a treatment for the wise and not for the foolish,
whether they be patients or doctors."


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