漢方学術講演会
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沖縄県医師会館
【特別講演】
「プライマリ・ケアにおける精神科薬物療法の豆知識
〜様々な神経精神疾患に対する抑肝散の臨床応用を含めて〜」
島根大 精神医学講座 教授 堀口淳先生
≪抑肝散が有効な症例≫
- 認知症の周辺症状 (攻撃性や興奮など)
- レム睡眠行動障害・せん妄
- 不眠・・・抑肝散によってレム睡眠の時間が増加する
- 境界性人格障害 (リストカットなど)
- 幻覚症、特に幻視
- ジスキネジア・・・セレネースやコントミン、グラマリールなどの副作用
(口をもぐもぐさせる、顎が左右に揺れる、などの不随意運動。
食道に起こると喉が詰まりやすくなる、呼吸筋にも起こる)
≪抑肝散の効能・効果≫
虚弱な体質で神経がたかぶるものの次の諸症:
神経症、不眠症、小児夜泣き、小児疳症
≪抑肝散の使用目標 = 証≫
体力中等度の人で
神経過敏で興奮しやすく、怒りやすい、イライラする、眠れないなどの
精神神経症状を訴える場合に用いる。
≪抑肝散の生薬構成≫
蒼朮 (ソウジュツ)
茯苓 (ブクリョウ)
川芎 (センキュウ)
当帰 (トウキ)
柴胡 (サイコ)
甘草 (カンゾウ)
釣藤鈎 (チョウトウコウ)