メトリジン


http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/di/diquiz/ より一部改変

◆Question



起立性低血圧で治療を受けている36歳の女性が薬局を訪れました。
自分と娘(12歳)の2枚の処方せんを出しながら、次のような質問をしました。


最近、娘も私と同じようにめまいを起こすと言うので、今日は一緒に診てもらいました。
娘は小児起立性調節障害だと言われました。
娘の処方せんを見たのですが、私が飲んでいるのと同じ薬で、飲む量まで一緒です。
大人と子どもで薬も飲む量も全く同じなのはヘンではないですか。

36歳の女性の処方せん
メトリジンD錠2mg 2錠
 1日2回 朝・夕食後服用 28日分


娘の処方せん
メトリジンD錠2mg 2錠
 1日2回 朝・夕食後服用 28日分


◆Anser

この薬は
子どもも大人と同じ量を飲むのが最も効果的だということが確かめられています。
それで副作用が起こりやすくなることもありません。

◆解説



起立性調節障害(Orthostatic Dysregulation;OD)は
身体発育の著しい思春期前半に多発する自律神経失調症である。
起立や入浴などの身体負荷で生じるめまい、立ちくらみ、脳貧血などの症状を主徴とする。


ODの治療には昇圧剤を始め、自律神経調節剤、ビタミン剤などの種々の薬剤が用いられている。
中でも塩酸ミドドリン(商品名:メトリジンほか)は処方頻度が高い。
同剤は交感神経刺激剤であり、末梢血管α1受容体の選択的刺激により血圧を上昇させる。
ただし、起立性低血圧には適応を持つが、ODに適応はない。


塩酸ミドドリンの常用量は成人、小児とも1日4mgと同量である。
1日最高量については、成人が8mg/日なのに対し、小児は6mg/日となっている。


reference
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/di/diquiz/