リスパダールコンスタ

リスパダールコンスタ ヤンセンファーマ
http://www.yakuji.co.jp/entry13553.html
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/series/drug/update/200906/510981.html


抗精神病薬は「定型抗精神病薬」と「非定型抗精神病薬」に分類される。
クロルプロマジンウインタミン)やハロペリドールセレネース)に代表される
定型抗精神病薬は、主にドパミンD2受容体を遮断することで抗幻覚作用などを発揮するが
この抗ドーパミン作用に起因する錐体外路症状
パーキンソン症候群アカシジア、ジスキネジアなど)が副作用として問題になる。

これに対して非定型抗精神病薬は、錐体外路症状の副作用が起こりにくく
陽性症状(幻覚、妄想など)だけでなく陰性症状
(感情的引きこもり、情動鈍麻など)にも有効であることも特徴である。
最近は、この非定型抗精神病薬が、統合失調症治療の第一選択薬となっている。

非定型抗精神病薬の一つであるリスペリドンは、その作用機序から
セロトニンドパミン遮断薬」(SDA)に分類されている。

同薬は、ドパミンD2受容体拮抗作用に加えて
セロトニン5-HT2受容体にも選択的な拮抗作用を示す。
5-HT2受容体を同時に遮断することにより、D2受容体の過度な抑制が解除され
錐体外路症状が起こりにくくなると考えられている。

今回承認されたリスペリドンの持効性注射剤は
生体内分解性ポリマーを用いて極小の球状製剤(マイクロスフェア)に
薬物本体を封入した製剤である。専用懸濁溶液で懸濁してから筋注する。



この筋注されたリスペリドンがは血中に徐々に放出されるため
「2週間に1回」という投与法が可能になっている。
海外では、2002年にドイツと英国で承認されて以降
2008年12月現在で世界92の国と地域で承認されている。

日本では、このリスパダールコンスタが
非定型抗精神病薬としては初めての持効性注射製剤となる。

一般に統合失調症は、長期にわたる維持療法が必要であり
服薬コンプライアンスの低下が精神症状の再発・再燃につながり得ることから
2週間に一度、通院時の投与で済む本薬のメリットは大きい。

使用に当たっては、経口製剤で認められている主な副作用
(血中プロラクチン増加、不眠症、体重増加など)に十分に注意する。
また本薬は、十分な血中濃度に至るまで3週間ほどかかるため
初回投与から3週間は経口の抗精神病薬を併用する必要がある点にも留意したい。


用法・用量
成人にはリスペリドンとして1回25mgを2週間隔で臀部筋肉内投与する。


薬価
25mgが2万3520円、37・5mgが3万0997円、50mgが3万7703円。