リタリン


http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/di/diquiz/ より一部改変

◆Question

注意欠陥多動性障害ADHD)と診断され
小児科に通院している7歳男児の母親からの質問


リタリンを飲むようになってから落ち着きが出てきました。
ただ、以前に比べて、夕食後にお菓子をよく食べるようになったのですが
薬と何か関係があるのでしょうか。
また、薬はいつまで飲み続けなくてはならないのですか。」

処方せん
* リタリン錠 2錠
 分2 朝昼食後 14日分
* カタプレス錠75 0.5錠
 分1 朝食後 14日分


◆Anser

リタリンは食欲を低下させる副作用があります。
夜になって、昼間飲んだ薬の作用が低下してきて
それまで薬で抑えられていた食欲が回復するためだと考えられます。
食欲が出るころに合わせて食事を準備したり
間食のお菓子を栄養のよい食べ物に変えたりするとよいでしょう。


お薬をいつまで続けるべきかですが
治療を始めて1〜2年は継続する必要があるようですので
先生の指示通りに服用されることをお勧めします。

◆解説

リタリン(塩酸メチルフェニデート)の薬理作用は
脳内のドパミンやノルエピネフリンの濃度を上昇させることにより
低下している脳の覚醒度を上げると推定されている。
ADHDに対する有効率は 70〜80%で、注意力の障害だけでなく
多動性・衝動性などの症状にも効果があることが報告されている。
リタリンの副作用は食欲不振、不眠、チックなど


カタプレス(塩酸クロニジン)は
ノルエピネフリンの放出抑制によりADHDにおける多動を改善する効果があり
リタリンで十分な効果が得られない場合などに単独あるいは併用で投与される。


いずれの薬もADHDに対する保険適応はない。


薬物治療の終了の判断は、投与を開始して1年半〜2年後
夏休みなどの休暇の間に中断し、子供の行動を観察した上でなされる。