クロミッド


http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/di/diquiz/ より一部改変

◆Question

患者は27歳の女性
不妊症の治療をしています。
 それぞれどのような薬なのか、教えてください。 」

《処方箋》
クロミッド錠(50mg) 3錠 
 1日1回 夕食後 5日分

テルロン錠0.5 2錠
 1日2回 朝夕食後 14日分

プレドニン錠5mg 2錠
 1日1回 夕食後 10日分


◆Anser

クロミッド
脳の中の視床下部というところに作用して
卵巣を刺激するホルモンを分泌させて排卵を促すお薬です。


テルロンは
プロラクチンというホルモンを抑えるお薬です。
プロラクチンは、分娩後には母乳の分泌などに必要なホルモンですが
今の時点で多過ぎると排卵が起こりにくくなりますので
お薬で減らした方がよいとされています。


プレドニン
排卵障害の原因になる過剰な免疫の反応を抑えたり
男性ホルモンの分泌を抑制する作用があって
他のお薬と一緒に飲むことで、排卵しやすくなる効果が期待できます。

◆解説

排卵障害の第一選択薬は
クエン酸クロミフェン(クロミッド)である。
クロミフェンは、内因性のエストロゲンと競合的に拮抗し
エストロゲンによるフィードバック機構を遮断して、GnRHの分泌を促進する。


高プロラクチン血症を伴う排卵障害患者には
プロラクチンの分泌を抑制するドパミンD2受容体刺激剤の
メシル酸ブロモクリプチン(パーロデル)やテルグリド(テルロン)が使用される。


一方、クロミフェン抵抗性の排卵障害の一つとして多嚢胞性卵巣がある。
原因は不明だが、男性ホルモンが過剰な例が多く
多毛、にきびなどが見られることがある。
治療では、副腎皮質ステロイドが併用される。
これは、副腎から分泌されるアンドロゲンを減少させることで
クロミフェンの効果を増強させることができると考えられている。


また、自己免疫異常が認められる不妊症患者に
免疫抑制剤として少量のステロイド剤を併用することで
妊娠率がアップするという報告もある。