アンニュイな午後




雨はあがってカラリと晴れた。
モノレールで首里まで行ったが、特に目的はない。


さわやかな散歩のはずが、強烈な紫外線にウンザリした。
沖縄はもう初夏だよ。


メインプレイスのミスドまで歩いた。
ドーナツを食べて、コーヒーをすする。


隣に座った少女がドーナツを頬張りながら、お母さんに言う。
「幸せな時間だね!!」


俺はその言葉に反応して少女を見つめるが
彼女の視界に俺は存在していない。


確かに、幸せな時間だ、と俺は思う。
時間はタップリあって、いまは失業給付もある。


コーヒーをお替りして、さらに幸せな時間を満喫する。
やがて俺はおもむろに立ち上がり、同じフロアのスーパーに向かう。


キャットフードを買った。
ネコは飼ってないが、スポーツクラブの駐輪場で
いつも日向ぼっこしているブサイクなネコにやるんだよ。