レミッチ 鳥居



【新薬】世界初の選択的オピオイドκ受容体作動薬

ナルフラフィン (商品名:レミッチカプセル2.5μg)
血液透析患者におけるそう痒症の改善 (既存治療で効果不十分な場合に限る)」
1日1回1カプセルを、夕食後または就寝前に服用


血液透析患者におけるそう痒症は、炎症などを伴わない全身性の強いかゆみであるが
はっきりした原因は分かっていない。


皮膚疾患以外によるかゆみには、透析患者のかゆみ以外にも
肝硬変や慢性腎不全による皮膚そう痒症、モルヒネ投与による中枢性のかゆみ
などが知られている。
これらのかゆみは、オピオイド受容体が関与しているのではないかと考えられている。


鎮痛薬として用いられるモルヒネは、副作用としてかゆみを生じることがあるが
これはオピオイドμ受容体の刺激作用によるものであり、μ受容体拮抗薬の投与で改善する。
一方、オピオイドκ受容体作動薬は、鎮痛作用はμ作動薬と同様だが
かゆみに対してはμ受容体の作用に拮抗し、かゆみを抑える方向に働くことが分かっている。


そうした知見から開発されたのが、今回承認されたナルフラフィンである。
ナルフラフィンは、日本で開発された世界初の選択的オピオイドκ受容体作動薬であり
ヒスタミン薬などの既存薬が無効なかゆみに対する有効性が確認されている。
これまでになかった新しい作用機序のそう痒改善薬として、期待されている。


主な副作用は
不眠(15.8%)、便秘(4.8%)、眠気(3.1%)、プロラクチン上昇(3.1%)


reference
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/series/drug/update/200903/509676.html