ピロリ

1979年
オーストラリアのロイヤル・パース病院の病理専門医ウォーレンが
胃炎をおこしている胃粘膜にらせん菌が存在していることを発見しました。
ウォーレンは同じ病院に研修医としてやってきたマーシャルと共に研究をすすめ
この菌が「胃に住みついている」ということを確信し
この菌によって胃炎がおこると考えました。


ウォーレンとマーシャルは
このらせん菌の分離・培養にとりかかりました。
通常の細菌の培養では、菌を培地に植え付けて
培養器に入れて48時間後に培養できたかどうか確認します。
ふたりもそのようにしていましたが、なかなかうまく培養できません。





幸運が訪れたのは培養中にイースター(復活祭)の休日が入り
培養器に5日間いれたままにしてしまった検体でした。
なんと、直径1mmの透明な菌の固まりができていたのです。
1982年のことでした。


ピロリ菌発見培養に成功した菌は、
これまでに見たこともない新しい菌であることがわかりました。
このことは1983年に発表され、世界中の注目を集めました。


1984年、マーシャルは
培養したこのらせん菌の固まりを自ら飲み込むという人体実験を行いました。
10日目に胃の組織を取って調べると、急性胃炎を起こしており
そこにはあのらせん菌が存在していました。
http://www.takeda.co.jp/pharm/jap/seikatu/pylori/pylori/02.html