コルヒチン + クラリス

医師のための薬の時間

コルヒチンとクラリスの併用を中止したのは妥当か?

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/doctors/series/drug/imedis/200609/501490.html



40歳代、男性
<処方1> クリニック(耳鼻咽喉科
クラリス錠 (200 mg)2 錠 1 日 2 回 朝夕食後


<処方2> 病院の眼科
コルヒチン錠(0.5 mg)2 錠 1 日 2 回 朝夕食後


耳鼻咽喉科を受診した患者に、<処方 1>を処方しようとした。
患者がクラリスと相互作用を起こす医薬品を服用していないかをチェックするために
患者に質問したところ、患者はベーチェット病の治療で、他の病院の眼科において
<処方 2>を使用しているとのことであった。
クラリス錠<クラリスロマイシン>の添付文書の相互作用(併用注意)の項には
以下の記載があり、クラリスとコルヒチンは併用注意の組み合わせであることがわかった。


<薬剤名等>コルヒチン
<臨床症状・措置方法>
本剤との併用によりコルヒチン中毒症状
(汎血球減少、肝機能障害、筋痛、腹痛、嘔吐、下痢、発熱等)が発現したとの報告がある。
<機序・危険因子>
本剤がコルヒチンの肝臓における代謝を阻害することにより
コルヒチンの血中濃度を上昇させる可能性がある。


クラリスとコルヒチンの併用は、死亡例を含む重篤な有害事象の報告があり、危険である。
クラリスは、コルヒチンの代謝酵素(CYP3A4)や輸送担体(P 糖たんぱく質)を阻害することで
このような相互作用を引き起こす。
したがって、両薬剤の併用を回避した今回の対応は妥当であったといえる。


コルヒチン+クラリスロマイシン
コルヒチン・クラリスロマイシン
コルヒチン×クラリスロマイシン