抗てんかん薬「ガバペン錠」
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/series/drug/update/200608/501263.html
2006年7月26日
抗てんかん薬のガバペンチン(ガバペン錠)が製造承認を取得した。
適応は、「他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の部分発作
(二次性全般化発作を含む)に対する抗てんかん薬との併用療法」である。
てんかんは、WHOでは
「種々の成因によって起こる慢性の脳障害で
大脳ニューロンの過剰発射の結果起こる反復性発作(てんかん発作)を主な症状とし
これに種々の臨床症状および検査所見を伴うもの」と定義されている。
抗てんかん薬としては
フェニトイン(アレビアチン、ヒダントール)
カルバマゼピン(テグレトールほか)
バルプロ酸ナトリウム(デパケン、バレリン、ハイセレニンほか)
などが使用されてきた。
これらは、神経細胞膜やシナプス機能に直接作用し
神経細胞の過剰興奮を抑制する薬剤である。
ガバペンチンは、抑制性神経伝達物質のγ-アミノ酪酸(GABA)の誘導体である。
カルシウムの流入を抑制することで、グルタミン酸などの興奮性神経伝達物質の遊離を
抑制するという、既存の抗てんかん薬とは異なった機序で抗てんかん作用を発現する。
GABA誘導体ではあるが、GABA受容体には結合せず
GABAの再取り込みや分解酵素には影響を与えない。
1993年に英国と米国で承認されて以来、世界91ヵ国で使用されている。
米国などでは、帯状疱疹後疼痛にも適応を有している。