小児への薬の飲ませ方

小児への薬の飲ませ方の工夫と注意点
磐田市立総合病院 薬剤部
http://www.hospital.iwata.shizuoka.jp/regulars/medicine-story/10/index.htm

<薬の飲ませ方の工夫>

★ 粉薬(歯の生えていない新生児向け)
薬を少量の水またはぬるま湯(薬1gに対して4〜5滴)でペースト状・だんご状にねり
味のわかりにくい、ほおの内側やあごの奥の方に塗布し
その後すぐ、水やぬるま湯などを飲ませて流し込みます。


★ 「スポイト」−シロップ・粉薬
誤嚥に気をつけて口のわきから、ほおの内側に少量ずつたらして飲ませます。


<服用時間>

★ お腹がいっぱいで飲んでくれなかったり
食べ物と一緒に吐いてしまうことがあるので
特に医師からの指示がない場合
薬の服用は授乳・食事の前でも差し支えはありません。


★ 服用時に寝ているときは無理に起こさず、その後時間をずらして飲ませましょう。

<年齢ごとの注意点>

★ 新生児期(生後0〜1ヶ月未満)、乳児期(1ヶ月〜1歳未満)
誤嚥しないように、抱っこまたは上体を起こして与えます。
★ 乳児期(1〜5歳)  
味覚や好き嫌いが多様化し本人の意思が出てくる分、服用が難しくなってきます。
基本的には薬をほかのものに混ぜず、水やぬるま湯で飲ませる習慣をつけさせます。

<食品を使った服薬の工夫>

1 砂糖や人工甘味料、シロップを加えます。
2 粘度が高く味の濃い食品と混ぜる。
(アイスクリーム、チョコレート、コンデンスミルク、ミルクココアなど)
1歳未満の乳児には
「小児ボツリヌス症」を発症する場合があるので、ハチミツは与えてはいけません。

<こんなときどうする?>

★ 薬を吐いてしまったとき
服用してからどれくらいの時間で吐いたか、また吐いた量によっても対応が違ってきます。
1つの目安として、10分以内であれば再び服用させ
10分以上 経過していれば、体内に入った薬が吸収されている可能性があるので
重ねて内服しないで様子を見ましょう。


★ 薬を飲み忘れてしまったとき(眠っていて飲めなかったとき)
気がついたら、できるだけ早く飲むようにします。
次の薬を飲む時間が近いときは、飲むのをやめるか、気が付いたときに飲んで
次に飲む時間を遅らせるようにします。目安は以下のように考えて下さい。
  1日3回の薬:次に飲む時間まで4時間以上空ける
  1日2回の薬:次に飲む時間まで5時間以上空ける
  1日1回の薬:次に飲む時間まで8時間以上空ける


★ 坐薬を入れた後に便をしてしまったとき
排出された場合の対応は、坐剤が固形で残っている場合にはそれをもう1度挿入し
固形が見られない時はすでに体に吸収されているとみなし重ねて再投与せず
熱の下がり具合や症状などの様子を見て、追加投与を判断するようにしましょう。