舞子

ゴールデンウィークなのに、目覚まし時計で目が覚めた。

深酒でバッドな朝だった。

なぜ目覚まし時計が鳴ったのか、ぼーとした頭で考えてみる。

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ああそうか
今日は結婚式に呼ばれていて、神戸に行くのだった。
急いで礼服を着て、博多駅に向かう。


11時に舞子駅に着いた。
舞子駅明石海峡大橋の真下にある。
会場はそこから近い。


披露宴は12時からなので1時間ある。
そこで、ある噂が本当なのかを確かめることにする。


NHK教育TVの「ズッコケ3人組」というドラマの舞台が
僕の母校の東舞子小学校だ、という情報を同級生の西村君からもらった。
東舞子小学校に行って、本当なのか確認してみることにする。


自分の母校だが、さっぱり道がわからない。
僕は20歳までこの地にいて、その後この辺には来ていない。
近所の子供に道を尋ねながら、東舞子小学校に着いた。


校庭の門の外から眺めて見ると、校舎の屋上で
なんと撮影の真っ最中だった。
つまり、噂は本当だった。


さて、安福君の結婚披露宴に向かう。

会場は舞子ビラというホテルである。


小学生の頃、僕は夏になると、ここのプールに来て

女性のお尻をつねって潜水で逃げる、という悪戯をしていた。


安福君と僕とは小学校1年生の時からの友人だ。
彼は30を過ぎてから、なぜか突然、カトリック教徒になった。

そして、なんと15歳も年下のカトリック教徒の女性と結婚した。


安福君は知恵遅れや自閉症の子供を世話する仕事をしている。

片目がつぶれた瀕死の猫を家に持ち帰り

いまも飼っているという逸話から、彼のやさしい人柄がわかる。


最後に安福君のスピーチがあった。

すべての人々に感謝するという内容で、ホテルの従業員にまで謝辞を述べた。


恐らく、彼の収入はそう多くはない。

だが、彼らは幸せである。
打算は何も無い。純粋な結婚だ。

それでいい。